補充的保護証明書(SPC)および特許権の存続期間延長(PTE)

世界60ヶ国以上で、医薬品特許権の存続期間の延長(PTEまたはSPC)が認められています。欧州の多くの国では、「補充的保護証明書」(SPC)と称されます。欧州のSPCは、医薬品特許または植物保護特許の存続期間を最大5年延長することができ、状況によってはさらに6ヶ月の延長が可能です。世界の他の多くの国でも、PTE期間の上限は最大5年です。

PTEおよびSPCの政策目的は、許可等を得るために所要の試験・審査等を経なければならないことで事実上「失われる」特許存続期間の一部を特許権者に(ある程度)「補償」することです。SPCは各国での権利であり、延長するのに適した特許権が少なくとも1つ存在する各国の特許庁を通じて申請する必要があります。

SPCとPTEの申請期限

最も一般的なSPCまたはPTE申請・出願の期限は、当局による製造販売承認を契機とする6ヶ月ですが、国によっては3ヶ月、あるいは最短で60日です。延長対象となる特許が製造販売承認が下りるまでに付与されない場合、SPCまたはPTE申請・出願の期限は、通常、特許付与日から計算されます。

SPCとPTEの対象製品

SPCは、医薬品または植物保護製品の特許有効成分または有効成分の混合物に関して交付されます。このような医薬品には、ヒト用と動物用があります。

PTEは、PTE制度を有する国で正式に承認されたヒト用医薬品に対しより一般的に利用可能です。

特に併用療法の場合、SPCまたはPTEの観点から考慮すべき特許が多数存在する可能性があります。延長する特許を選択するための戦略分析の一環として、併用療法に関連して作成された広範な判例を検討することが適切でしょう。

SPCまたはPTEを申請することができる特許

SPCは、以下を保護する特許に基づくことができます:
a) 承認された医薬または植物保護製品の有効成分
b) 有効成分の製造方法
c) 特定の疾患または症状に対する有効成分の使用、または
d) 有効成分を含有する製剤 

SPC申請時に、SPCを求める国で特許が有効でなければなりません。

同様の規定がPTE制度を有する国でもありますが、国によって多少の違いがあります。

SPCおよびPTE制度を有する国

SPCは、英国、欧州連(EU)の全加盟国、スイス、ノルウェー、アイスランド、その他一部の欧州諸国で取得できます。また、医薬品のPTEは、一部の欧州諸国とその他多くの商業的に重要な世界各国で取得可能です。

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ここに示した情報は、簡略化したものであり、法律ならびに実務の決定的な情報ではありません。