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PCT欧州域内移行出願:EPO以外の機関がISAとして行為する場合の初期段階手続き

PCT欧州域内移行出願:EPO以外の機関がISAとして行為する場合の初期段階手続き

Europan Patents Regional Phase Early Stage Procedure – EPO is NOT ISA Flowchart_JP

ここでは、EPO以外の機関が国際調査を実施した場合に、国際(PCT)出願を欧州段階に移行するための初期段階手続について説明します。また、EPOにおけるこれらの移行が実務上どのような結果をもたらすかについても説明します。

EPOがISAである場合の国際出願の初期段階手続について、または、EPOに直接出願された欧州特許出願については、私共の別のインフォメーションシートをご覧ください。

手続

国際出願に関しEPOがISAではなかった場合、欧州段階に移行する際に補充欧州調査報告書が作成されます。

出願が欧州段階に移行してすぐに、EPOは「EPC規則161および162に基づく通知」が発行されます。この通知への回答の際または欧州段階への移行時に、出願人は以下のいずれかまたはすべての措置を取ることができます。

  • 出願書類、特にクレームの自発補正を提出する
  • 支払うべき追加クレーム手数料を支払う

規則161および162の通知は、6ヶ月の応答期間を定めています。この期限は延長できません。

6ヶ月の応答期間終了時にEPOに係属しているクレームが補充調査の対象となり、この時点でクレーム手数料が決定します。

出願人がこの6ヶ月の応答期間によって補充調査を遅らせたくない場合、この通知に対する権利を明示的に放棄し、欧州段階に移行することができますが、ただし、欧州段階への移行時にクレーム手数料が支払われていることを条件とします。

補充欧州調査前

補充欧州調査に適用される調査制限として、EPOが調査を実施する前に特定の要件が具備されている必要があります。補充欧州調査で調査されていない対象は、出願からは除外されますが、分割出願で権利化を目指すことができます。

EPOが調査を制限しようとするのには3つの場合があります。

1. 各カテゴリーについて、独立クレームは1つだけ

特定の限られた場合を除いて、EPOは各カテゴリー(製品、方法、装置、使用)に独立クレームを1つのみしか認めていません。この要件が具備されていないとEPOが判断した場合、各カテゴリーのどの独立クレームを調査すべきか指定するよう出願人に求めます。

これに対する応答期間は2ヶ月に設定されています。この期間は延長不可であり、「期間渡過後の救済手続」も利用できません。出願人が応答しない場合、EPOは各カテゴリーで、最初に記載された独立クレームのみを調査します。認定に承服しない場合、この応答または審査段階で、このような通知に対して反論することもできます。反論が認められれば、EPOは調査を制限しません。

2. 不完全な調査 - クレームの範囲が広すぎるか、または不明瞭な場合

クレームが不明瞭であるか、またはその範囲が広すぎるために有意義な調査ができないとEPOが判断した場合、EPOは出願人に対し、調査すべき対象を示す説明書の提出を求めます。

これに対する応答期間は2ヶ月に設定されています。この期間は延長不可であり、「期間渡過後の救済手続」も利用できません。説明書が提出されないか、またはこれが不十分であるとみなされた場合、EPOは調査を実施しないか、または請求された対象の一部のみを調査します。

認定に承服しない場合、この応答または審査段階で、このような通知に対して反論することもできます。反論が認められれば、EPOは全体について調査を実施します。

3. 発明の単一性についての独立した検討

クレームに関する上記1および2の正式な検討は、単一性の判断とは別に行われます。EPOは、クレームに単一性が欠如していると判断した場合、クレームの最初に記載された発明にのみ基づいて部分的な調査を行います。

国際段階で単一性違反の指摘がなく、この段階でEPOにより初めて単一性違反が指摘された場合であっても、これが適用されます。

EPOは出願人に対し、調査対象とすべき追加の発明のそれぞれについて、追加の調査手数料を支払うよう求めます。
これに対する応答期間は2ヶ月に設定されています。この期間は延長不可であり、「期間渡過後の救済手続」も利用できません。その後、補充欧州調査報告書は、最初にクレームに記載された発明について作成され、さらに、追加の調査手数料が支払われた発明について作成されます。

単一性違反の指摘について、欧州調査の見解書に応答するときに反論することはできますが、この段階で単一性違反の指摘に対して反論することはできません。

調査手数料がすでに支払われている調査対象に対して分割出願された場合、分割出願に対して支払われた調査手数料は、手続中に返還されます。

4. 超過クレーム手数料の支払い

規則161および162によって設定された6ヶ月の応答期間終了時にEPOに係属しているクレームによって、この時点でいくらのクレーム手数料を支払うべきかが決定します。クレームの数が15を超える場合に、クレーム手数料を支払います。
16番目以降の各クレームに対して超過クレーム手数料を支払います。51番目以降の各クレームに対してさらに高額のクレーム料金を支払います。

支払期間内にクレーム手数料が支払われない場合、該当するクレームは放棄されたものとみなされます。明細書または図面に記載のない放棄されたとみなされるクレームに記載の特徴は、その後出願に、特にクレームに改めて組み込むことはできません。

クレームの数を減らす補正がなされたクレームセットが提出された場合、欧州段階への移行時に支払われていたクレーム手数料は返還されます。

出願人がすべきこと

  • 調査前にクレームを見直す
  • 以下のことを満たすため、必要であればクレームを補正する

(i) 各カテゴリーにつき、独立クレームが1つのみである こと、および、

(ii) 最も重要な主題をクレームの最初に記載し、自動的 に調査の対象となり、追加の調査手数料を支払う必要 をなくすこと

  • クレーム手数料の支払いを避けるか、または減額するため、必要があればクレームの数を減らすようクレームを補正する

補充欧州調査後

  • 補充欧州調査の結果EPOが示した拒絶理由に対する応答の義務化

EPOは出願人に対し、補充欧州調査報告書を添付した欧州調査見解書(合わせて拡大欧州調査報告書と呼ばれます)でEPOが示した拒絶理由に対して、意見書または補正書の提出を求めます。

出願人が出願の審査続行を求める意思表示を行うことができるよう、この応答期間は6ヶ月に設定されています。この期間は延長できません。拒絶理由に対する意見書または補正書が期間内に提出されない場合、出願は取り下げられたものとみなされます。ただし、追加手数料の支払い、「期間渡過後の救済手続」を利用して、応答期間を確保することも可能です。

EPOが単一性の欠如を指摘した場合、出願人は、調査済みの発明のうち1つのみに言及するようクレームを補正しなければなりません。その他の発明は、1つまたは複数の分割出願とすることができます。現在の出願で調査手数料が支払われた発明に対して分割出願した場合、この調査手数料を、分割出願の手続中に返還してもらうことができます。

欧州調査見解書に応答する際、単一性の欠如の認定に対して反論することができます。反論が認められた場合、EPOは、必要があれば追加の手数料を要することなくさらなる調査を行います。

審査部が単一性の欠如の認定を維持した場合、未調査の発明を現在の出願で審査してもらうことは不可能であり、分割出願が必要となります。

欧州調査見解書に拒絶理由通知が含まれていない場合、応答は不要です。

  • 自発補正の最後の機会

この6ヶ月の応答期間は、自発補正の最後の機会ともなります。

この期間経過後は、出願人は自発補正する権利がなくなり、期間経過後に補正をするには、審査部の同意が必要となります。出願の審査をより効率よく行うというEPOの現在の目的に鑑みれば、審査部が期間経過後に自発補正に進んで同意する可能性は少なくなると思われます。この時点で提出される補正クレームが、未調査の主題に関するものであってはならないことにご注意ください。

出願人がすべきこと

  • 欧州調査見解書に記載されたEPOの拒絶理由を早めに検討することをお勧めします。同時に、自発補正も検討すべきです。
  • 調査見解書に応答するための6ヶ月間の期間内に間に合うように、拒絶理由に対する応答のための意見書もしくは補正書(または自発補正書)を作成する。

This information is simplified and must not be taken as a definitive statement of the law or practice.  Please refer to our English-language website for more information.